隈研吾展 展示替え後の新プロジェクト 魔法の文学館

【隈研吾展、展示替え後の新プロジェクトご紹介!】

新たに軽井沢の展示に加わったプロジェクトをご紹介いたします。

◎江戸川区角野栄子児童文学館(2021年 東京都)

 

東京・江戸川区の公園内に建てられた角野栄子児童文学館は、「物語の世界に迷い込むような空間」を目指して設計された、隈研吾による小規模文化施設です。
内装の「いちご色」は角野さんのテーマカラーであり、そのファーストインプレッションを高めるために外装(外壁・窓枠・屋根)の色は対比したニュートラルホワイトになっています。
敷地に点在する小箱ユニットの上に花びらのように広がる屋根をかけ、上空から見ると“花が咲くような”形態となっており、丘に華やかな印象を与えます。
また、なぎさ公園内の展望の丘と連続するように設計され、建物・造園・展示が一体的につながる“ものがたりの世界”を表現しています。
近年の美術館や文学館はシンプルなモダニズム建築が主流ですが、それは角野栄子さんの物語世界には合わないと感じた隈氏は、あえて大きさや高さの異なる四角い窓を設けて、温かみのある「おうちっぽさ」を演出しました。敷地全体としても公園との連続性を意識しているため、建築を周囲に“溶け込ませる”ことが可能となり、建物が地域の日常の中に自然に存在することを目指した構成になっています。